読書感想文

読んだ本の感想をつらつら書きますね

キャプテンサンダーボルト

ゴシキヌマの水をよこせ―突如として謎の外国人テロリストに狙われることになった相葉時之は、逃げ込んだ映画館で旧友・井ノ原悠と再会。小学校時代の悪友コンビの決死の逃亡が始まる。破壊をまき散らしながら追ってくる敵が狙う水の正体は。話題の一気読みエンタメ大作、遂に文庫化。本編開始一時間前を描く掌編も収録!

(Bookデータベースより引用)

 

タイトル:キャプテンサンダーボルト(上下)

著者:伊坂幸太郎阿部和重

 

さて、今回感想を書くのは文春文庫から出版されている合作小説です。

文庫版の帯には「問答無用の徹夜エンタメ、降臨。」と書かれています。

 

どんな話かというと、金に困っている相葉という人物がちょっとした手違いで大金をつかめるかもしれない事件に関わりを持ってしまう。

そして自分でどんどん首を突っ込んでいき、小学生時代の友人井ノ原と再会してその井ノ原も巻き込んでいく・・・・ってストーリーです。

 

この大金をつかめるかもしれないのが、「ゴシキヌマの水」です。

本編では「ゴシキヌマの水」「村上病」「東京大空襲」この辺りがキーワードになります。

 

読んでいて、疫病の「村上病」とこの村上病に迫る=ゴシキヌマの水にも迫っていくストーリー構成がグイグイ物語に引き込んでいきます。

しかし、個人的には登場人物にあまり魅力を感じなかった事やもう少し色々なところで(あまり書いてしまうとネタバレになってしまうので書けません・・・)ほかの見せ方できたんじゃないかと思いました。

登場人物の感情の動き方が現実から乖離しすぎだったと感じています。

 

しかし、読み始めると止めることができない構成は圧巻ですので是非読んでみてください!

今ならどこの本屋でも平積みしてありますよ!!

 

がわ

身の上話

あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選、巻き込まれ、流され続ける女が出合う災厄と恐怖とは。

 

(Bookデータベースより引用)

 

タイトル:身の上話

著者:佐藤正午

 

さて、今回感想書きますのは、今年直木賞受賞作家の作品です。

この作品は分類が難しいのです。ミステリとも言えますし、日常的ストーリーともいえるし、恋愛小説とも言えるのです。

 

主人公ともいえる女性が、ひょんな事から浮気相手の男性に引っ付いて田舎から東京へ出てきます。そしてその東京で宝くじの高額当選(めちゃくちゃ偶然が重なったのです)し、何も考えずに動いていた女性は様々な事に巻き込まれていくのです。

 

この作品はとある人物の語り口調で話しが進みます。

まあ、女性の旦那さんです。しかし、この作品には数人の男性が出てきて、どの男性も女性の旦那さんになり得る人です。だから、だれが宝くじが高額当選した妻の話を語っているのか、そしてそもそも"何のためにこの話を語っているのか"です。

 

オチも壮絶ですし、何より淡々と語られる怖さがありました。

ただ、最後まで読むと淡々と語っていた気持ちも理解できます。

 

グイグイと物語に引き込んでいく文章力と表現は圧巻です。

読み終わってから思うのですが、登場人物に誰一人まともな人いないですね・・・。笑

 

是非てにとって読んでみてください。

おすすめです。

 

おわり

スロウハイツの神様

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだーー

あの事件から10年。
アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。
夢を語り、物語を作る。
好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。
空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

(Amazonより引用)

 

タイトル:スロウハイツの神様(上下)

著者:辻村 深月

 

さて、今回感想として書くのは、講談社より出版されている本です。

簡単に言うと、小説版トキワ荘みたいな感じです。

小説家のチヨダ・コーキ、脚本家(卵?)の赤羽環、漫画家志望の狩野壮太、画家卵の森永すみれ、映画監督志望の長野正義が話のメインキャラクターです。

 

メインキャラクター達は赤羽環がオーナーを務めるスロウハイツで共同生活を行っており、それぞれのキャラクターの葛藤等を順々に掘り下げていきます。

いちばんの肝はチヨダ・コーキの作品で人が死んだ・・・・・この話の掘り下げ方とチヨダ・コーキが復活するまでのエピソードが一番素敵です。

それ以外にも登場人物たちのエピソードの掘り下げ方が非常に面白いんです。

共同生活で男女なので、当然恋愛が絡んできたり、全員がクリエイターの卵なので作品に対する葛藤で掘り下げたりしていきます。

言ってしまえば、青春小説になるかと思います。それぞれの登場人物が夢を叶えるために取捨選択を迫られたときに何を選ぶのか。葛藤や苦悩、誰にも話すことが出来ずに抱え込んでしまうことの辛さが言葉巧に描かれています。

また、共同生活をしているため、誰かに話をすると他の誰かにも影響を及びしかねない、けれども、話さずにはいられない。

もう少しお互いが大人だったら違ったのかもしれないしれない。

私たち人生でも同じような事があると思いますが、その時にはきっとこの作品を思い出すんだろうなと個人的には感じています。

 

今、少しでも対人関係や仕事の進めかた、人生で何を夢にして進んでいけばいいのか悩んでいる方におすすめです。

 

私たちのは間違いをすることがあるけれども、それは決して間違いではないんでしょう。

 

おわり

 

 

 

涼宮ハルヒの消失

最初に感想を書くのは必ずこの作品にしようと思っていました。

ライトノベルだけれども、当時(中学生)衝撃を受けて私が本を読むようになったきっかけの作品です。

 

涼宮ハルヒ?それ誰?」って、国木田よ、そう思いたくなる気持ちは解らんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。混乱する俺に追い打ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった!どうやら俺はちっとも笑えない状況におかれてしまったらしいな。大人気シリーズ第4巻、驚愕のスタート

<Amazonより引用>

 

「どうしてお前がここにいる?」

「よかったら。」

 

アニメが非常に有名な涼宮ハルヒの憂鬱シリーズの第4弾です。

簡単にこのシリーズの概要を説明しますと、普通の高校生キョンが、願望を叶えられる力を持つヒロイン・涼宮ハルヒに振り回される非日常系の作品です。

藤子F不二雄がSF:少し不思議と言った話は有名ですが、本シリーズはまさにSF(少し不思議)だと思います。この作品には、宇宙人・未来人・超能力者が出てきます。

改めて読み返すと、この作品は当時先端の萌え要素を取り入れつつ、SF要素も含めているんです。

 

さて、前置きがずいぶん長くなりました。

涼宮ハルヒの消失」はシリーズの肝であるヒロイン:涼宮ハルヒが消えてしまうのです。主人公のキョン涼宮ハルヒを探すのが主なストーリーです。

実は元々いた世界が誰かに改変されてしまっていたのです。

そこでキョンは探す過程で、元々いた世界で協力関係であった、宇宙人の長門有希、未来人の朝比奈みくる、超能力者の小泉一樹に会って協力を仰ぎますが、そもそも世界そのものが改変されてしまっているので、3人とも面識がない事になっています。つまり、協力者がいない世界になります。

この世界で、協力者もいない状態でキョン自身は「涼宮ハルヒに振り回されていたあの日常に本当に戻りたいのか」「平穏な日常をずっと求めていたのではないか」と自問しながら行動しているのです。

「消失」の軸は以下の3つだと個人的に思っています。

①世界が変わってしまった理由と変えた人物

②変わった世界と変わる前の世界のメリットデメリットの比較

③なぜ、元の世界に戻ることに必死になっているのか

 

これをティーン向けのノベルスに全て込めてるのが凄いです。

だからこそ、今読んでも面白いんだと思います。

 

閑話休題

 

本作では、時間をパラパラ漫画のようにとらえており、一枚を抜いてしまうと未来全てが変わってしまうという考えがベースになっています。世界線解釈も面白いですが、パラパラ漫画解釈は斬新だと思いました。

 

なんだか感想がうまくまとめられなかったので、とりあえずここで終わりにします。

本当にこの作品は素晴らしいのでぜひ読んでみてください。

 

がわ

解説

はじめまして。

がわと申します。

 

何か普段と違うこと始めようと思って、ブログ作ってみました。

割と小説を読むのが好きなので、読んだ小説の感想を書いていこうと思います。

まだまだジャンルの幅が狭いのでコメントでオススメとか教えてもらえると嬉しいです。

 

当分は今まで読んだ小説の感想になります。

 

よろしくお願いします。

 

がわ