読書感想文

読んだ本の感想をつらつら書きますね

身の上話

あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選、巻き込まれ、流され続ける女が出合う災厄と恐怖とは。

 

(Bookデータベースより引用)

 

タイトル:身の上話

著者:佐藤正午

 

さて、今回感想書きますのは、今年直木賞受賞作家の作品です。

この作品は分類が難しいのです。ミステリとも言えますし、日常的ストーリーともいえるし、恋愛小説とも言えるのです。

 

主人公ともいえる女性が、ひょんな事から浮気相手の男性に引っ付いて田舎から東京へ出てきます。そしてその東京で宝くじの高額当選(めちゃくちゃ偶然が重なったのです)し、何も考えずに動いていた女性は様々な事に巻き込まれていくのです。

 

この作品はとある人物の語り口調で話しが進みます。

まあ、女性の旦那さんです。しかし、この作品には数人の男性が出てきて、どの男性も女性の旦那さんになり得る人です。だから、だれが宝くじが高額当選した妻の話を語っているのか、そしてそもそも"何のためにこの話を語っているのか"です。

 

オチも壮絶ですし、何より淡々と語られる怖さがありました。

ただ、最後まで読むと淡々と語っていた気持ちも理解できます。

 

グイグイと物語に引き込んでいく文章力と表現は圧巻です。

読み終わってから思うのですが、登場人物に誰一人まともな人いないですね・・・。笑

 

是非てにとって読んでみてください。

おすすめです。

 

おわり